ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデル
私はただひとりの人に聞かせるために、ピアノを弾く。
後期バロック音楽を代表する作曲家、オルガニストの
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル。
ヘンデルはイギリスで活躍し、多数の代表曲を生み出しました。
そんなヘンデルの生涯と代表曲の数々をご紹介します。
【数々の代表曲を生み出した作曲家ヘンデルとは？】
数々の代表曲を作り、音楽の母と呼ばれる
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルは
1685年2月23日にドイツのハレで誕生しました。
幼少時代から音楽の才能があった彼は、
ヴァイセンフェルス公爵によりオルガン演奏の才能を見初められます。
ヘンデルの父は、彼に法律家になることを望んでいたため、音楽への道を反対されていました。
だからこそ、ヴァイセンフェルス公爵との出会いが
彼の音楽家としての人生に繋がったのです。
1702年にハレ大聖堂のオルガニストを1年間の契約で務めると、
ハンブルクへ出てオペラを作曲し始めます。
ヘンデルの作ったオペラが人々に認められると、
1706年には活動の地をイタリアに移しました。
当時、オペラの上演が禁止されていたローマで
最初のオラトリオ『時と悟りの勝利』を作曲。
その後フィレンツェで上演したイタリア・オペラ『アグリッピーナ』が
連続27回も上演される程の大成功を収めました。
ヴェネツィアで外国人の作品がこれほど成功するのは、異例のことでした。
25歳の時、ハノーファー選帝侯の宮廷楽長となったヘンデルですが、
更なる飛躍を求めて訪れたロンドンに定住し、その後イギリスに帰化。
オペラ・オラトリオと、数々の代表作を作曲し、成功を収め、
オペラ運営会社「王室音楽アカデミー」の
芸術部門の中心としても活動しました。
晩年は失明してしまい作曲活動ができなくなったものの、
演奏活動は精力的に続け
74歳で亡くなりました。
その後、
当時音楽家としては異例の、ヘンデルの伝記も出版されています。
大衆音楽家として活躍したヘンデルは
多くの人に愛される代表曲を後世に残しているのです。
常識というが、これは非常に小さな要素に違いない。
というのは常識がぼくの頭からすべてのほかの考えを引き出すほど強力なものではないのだから。
【ヘンデルの代表曲の数々】
後期バロック音楽に活躍し、
オペラなど、劇場用の音楽を多数作曲したヘンデルの代表曲を
いくつかご紹介します。
『水上の音楽』
ヘンデルの代表的な管弦楽作品の一つ。
冒頭部分のメロディは、誰もが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか？
この曲は、ジョージ1世のために作られたと言われています。
ジョージ1世がイギリスへやって来たとき、
舟遊びのための曲として作られました。
野外での演奏にふさわしい、明るく開放的な雰囲気が特徴的な曲です。
『メサイア』
1742年にロンドンで上映されたヘンデルのオラトリオの代表作で、
自身唯一の宗教的オラトリオとなっています。
イエス・キリストの生涯を題材とし、
大衆に親しみのある聖書の物語と
ヘンデルの素晴らしい独創性が組み合わさり
幅広い人気を獲た曲です。
この曲の第2部の「メサイアの受難と復活」の最後で演奏される
「ハレルヤ・コーラス」はとても有名なので、
一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
この他にも、
ヘンデルはいくつもの代表曲を世に残しています。
同時代に活躍し、
日本では「音楽の父」と呼ばれたヨハン・ゼバスティアン・バッハともよく比べられたヘンデル ですが、
彼はバッハのような教会音楽でなく、劇場用の音楽で
大衆に親しまれる音楽を作った人物として知られています。
【まとめ】
・ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデルは後期バロック音楽を代表する作曲家、オルガニスト
・ドイツ出身でイギリスに帰化し、音楽家として活躍した
・主にオペラやオラトリオの曲を作った
・王室音楽アカデミーの芸術部門の中心として活動した
「音楽の母」ヘンデルは、バロック音楽を代表する作曲家として
多くの人々の記憶に残る名曲を、今世に残したのです。
私は自分のための新しい世界を創造する。
1685年2月23日 ブランデンブルク＝プロイセン領ザーレ河畔のハレで誕生
1697年 父が死去
1702年 ハレ大学に入学
ハレ大聖堂のオルガニストを１年契約で務める
1703年 ハンブルクに移住する
1705年1月8日 最初のオペラ『アルミーラ』を上映し成功を収める
1706年 イタリアの各地を巡り始める
1707年 最初のオラトリオ『時と悟りの勝利』を作曲する
1709年 オペラ『アグリッピーナ』をヴェネツィアで上演し、異例の再成功を収める
1710年 ハノーファー選帝侯の宮廷楽長となる
宮廷楽長に落ち着かず、年の暮に初めてロンドンを訪れる
1711年2月14日 オペラ『リナルド』を初演し、またも大成功を収める
6月 オペラのシーズンが終わりデュッセルドルフを訪れた後、ハノーファーに戻る
1712年11月 再びロンドンを訪れイギリスに定住する。オペラを作る
1720年 貴族が設立したオペラ運営会社「王室音楽アカデミー」の芸術部門の中心人物となる
1727年2月20日 イギリス国籍を取得
ジョージ2世の戴冠式のために大規模な『戴冠式アンセム』を上演する
1728年6月1日 「王室音楽アカデミー」が倒産する
アカデミーを建て直す
イタリアを訪れ、歌手と契約を結ぶ。ドイツ経由でロンドンに戻る
1733年 ライバルの貴族オペラが設立される
1734年 ヘイマーケット国王劇場を共にアカデミーを再建した
ジョン・ジェームズ・ハイデッガーが売り渡す
1737年 コヴェント・ガーデン劇場に移ったが、上手くいかず倒産する
4月 卒中に襲われ半身不随になる
温泉治療のためアーヘンで夏を過ごし、奇跡的に回復する
1739年 オペラが成功しなくなり、オラトリオのシーズンを開く
1749年 オーストリア継承戦争の終結を祝う祝典のために『王宮の花火の音楽』を作曲する
1752年 失明し作曲活動ができなくなる。演奏活動のみ続ける
1759年 体調の悪化により74歳で死去