矢沢永吉
ドアの向こうに夢があるなら、ドアがあくまで叩き続けるんだ。
芸能界にも多くのファンを持ち、今や日本のロック界を代表するミュージシャンと知られる矢沢永吉ですが、
その人生は苦労の連続だったと言われています。
広島で生まれた矢沢は、幼い頃に母が蒸発。
唯一残った父も、広島原爆の被曝者であったため、
矢沢が小学2年生の時に亡くなってしまいます。
幼くして孤児となってしまった矢沢は、その後親戚をたらい回しにされ、
父方の祖母のもとに引き取られました。
しかし生活は困窮しており、貧乏を理由に他の裕福な子供たちからいじめを受けるなど、
辛い子供時代を送ってきたと言われています。
その時の経験が矢沢に「BIGになる」という夢を抱かせたのです。
ラジオで聞いたザ・ビートルズを聞いてロックに魅了された矢沢は、
高校卒業後、スターを目指して単身東京を目指します。
しかし、直前の横浜で途中下車し、そこでアルバイトをしながらバンド活動を開始。
1972年には、矢沢がチラシで募集したメンバーで構成された『キャロル』が結成します。
フォークや歌謡曲が中心だった音楽業界に突如として現れ、大きな人気を得ました。
20代で苦労した者だけが、30代で夢の世界を見ることが出来る。
キャロルの活動期間は短いものでしたが、このバンドはファンに強烈な印象を与え、
その後の日本のロックシーンに大きな影響を与えた伝説のバンドとして知られています。
結成から3年後にキャロルが解散したのちも、矢沢はソロミュージシャンとして活動。
当初は「キャロルの矢沢永吉」の印象が強かったため、
そのイメージに反する矢沢の曲に、キャロル時代の多くのファンが離脱してしまうという出来事もありました。
しかしたった1年で矢沢はソロミュージシャンとしての認知度を上げ、
1977年には日本のロック・ソロアーティストとしては初の武道館単独公演を開催。
1978年にはCMソング『時よ止まれ』がミリオンセラーとなる大ヒット。
同じ年の7月に出版した『成り上がり』は100万部を超えるベストセラーとなるなど、
数々の偉業を達成していきます。
3年連続で長者番付歌手部門に選出され、
オリコンアルバムランキングを最年長首位を獲得。
ソロ歌手では史上初となるオリコンアルバムランキング首位を獲得するなど、
矢沢永吉は日本のロックシーンを牽引する存在として知られています。
てめぇの人生なんだから。
てめぇで走れ。
1949年9月14日 広島県広島市で生まれる
3歳の時に母が蒸発。小学2年生の時に父と死別し、父方の祖母に育てられる
1968年 夜行列車で上京しようとするも、途中下車をして横浜に到着。
バンド活動を開始する
1972年 『キャロル』を結成
1975年4月13日 日比谷野外音楽堂でキャロルの解散ライブを行う
CBSソニーにソロで移籍
9月21日 『アイ・ラヴ・ユー、OK』でソロデビュー
1977年 日本のロックミュージシャンとしては初の武道館で単独公演を行う
1978年 『時よ止まれ』が大ヒットとなり、累計売上でミリオンセラーを達成・オリコン一位を獲得
『ゴールドラッシュ』がオリコンアルバム一位を獲得
シングル・アルバム両方で1位を獲得
5月 長者番付の歌手部門でロックミュージシャンとしては初の一位を獲得
7月 自伝の『成り上がり』を発売。100万部を超えるベストセラーとなる
1980年 長者番付の歌手部門で2回目の一位を獲得
ワーナーパイオニアに移籍
1981年9月25日 海外版アルバム第一弾の『YAZAWA』を全世界で発売
1982年 長者番付の歌手部門で3回目の一位を獲得
1988年 東芝EMIに移籍
1944年 テレビドラマ『アリよさらば』で初の主演と音楽監督を担当
1999年 映画『お受験』で映画初主演
2003年 ディズニー映画『ピノキオ』の主題歌である『星に願いを』を担当
2009年12月31日 「第60回NHK紅白歌合戦」で白組の特別ゲストとして登場
2010年代 SUMMER SONIC 2010など、数多くの公演に参加
「ライブと言えば矢沢永吉」と言われるほどに様々な公演に出演し、ライブミュージシャンの先導者的存在としても知られる