この記事の目次
成功者がパートナーを見つけて飛躍する理由とは?
「なんでも一人でできるようになりたい」
そう思っている方もいらっしゃるのでは無いでしょうか?
世界では古来より「職人」と呼ばれる、一つのことを極める人々が重宝されてきました。
しかし近年では、「なんでもできる」オールマイティな人間が尊敬され、
多くの人が幅広い知識と技術を求める傾向があるように感じます。
しかし、一人の頭脳ではからならず限界があるもの。
スマートフォンに最も多く搭載されている「プロセッサー」を開発したソフィー・ウィルソンさんもまた、「一人の限界」に気づいていました。
今回は、パートナーを見つけることが成功につながった実話を紹介していきます。
パートナーと協力することによって世界95%を達成
ソフィーさんは、500億を超える機器にインストールされているARMチップの共同開発者として知られています。
地球の人口が約75億と言われているため、その6倍以上の数が利用されているということですね。
これらの発明により、ソフィーさんははテクノロジーの歴史上最も重要な女性15人に選ばれ、ローヴィ生涯功績賞を受賞しています。
なぜ、ソフィーさんはここまで偉大な功績を残すことができたのでしょうか?
今回は、ソフィーさんが行ってきた様々な行動の中から、2つのポイントに絞って考えていきます。
(1)きっかけとなる製品を制作した
「開発者なら、製品を作るのは当たり前でしょ?」
そう思われるかもしれません。
しかし、ソフィーさんにとっては、この最初の制作がのちの世界的な発明への足掛かりとなったのです。
ソフィーさんがこの時に作ったのは、牛用の電動餌やり器でした。
その発明は彼女が務める「エイコーン・コンピュータ」の創設者である、ハーマンハウザーさんの興味をひきました。
ハーマンさんはちょうどその時期、イギリスのギャンブル用機器製造会社から、スロットマシーンでのイカサマを防ぐチップの開発を依頼されていました。
ソフィーさんは製品開発のための技術提供を行い、エイコーン・コンピュータの最初の製品である「Acorn System 1」が完成。
この製品の開発は、ソフィーさんののちの開発の足掛かりとなりました。
これは、私たちの仕事でも同じことが言えます。
過去に作り上げた作品や、思いついたアイデアが、ふと今の仕事に役立つ。
このようなことは、いくらでもあり得ること。
「もう過去のことだから」と忘れてしまうのではなく、「過去を現在や未来に生かす意識」を持つことが重要なのです。
(2)あえてライバルと手を組んだ
「Acorn System 1」を開発した後、ソフィーさんは同僚であるスティーブ・ファーバーさんとともに「チップコードARM1」の設計に着手します。
完成したチップは素晴らしい出来だったのですが、エイコンコンピュータの売れ行きは伸び悩んでいました。
そこで、エイコーン・コンピュータはライバルと手を組むことを選択。
1990年に、AppleとVLSI Technologyを含めた3社共同でCPUの共同開発プロジェクトを開始します。
その目的は、それぞれの会社の強みを生かした分担作業でした。
まずエイコーン・コンピュータがベースとなる技術を提供し、
VLSI Technologyが製造。
Appleがこれを製品に組み込んでいきました。
1社だけでは限界があったものも、それぞれ得意分野が違う3社が手を組むことで、可能性を3倍以上に広げたということですね。
この共同開発により、2008年には、100億を超えるチップが販売され、2012年の時点で95%を超えるスマートフォンで使用されるほどになりました。
ソフトバンクがARMを現金320億ドルで買収したのはも有名な話です。
まとめ
一人で色々なことをこなせるのは、確かにすごいことだと思いますよね。
しかし、パートナーを見つけることで、たった一つのアイデアが何百倍にも膨らんでいくのです。
「お金を分けると半分に減ってしまいますが、アイデアを分けると倍になる」
経営の神様と呼ばれているパナソニック創業者松下幸之助もこのような言葉を残しています。
「どんな賢人でも、その人ひとりの知恵には限りがあって、だから自分の知恵、才覚だけで事を運べば、考えがかたくなになる。視野が狭くなる」
1人でできることには限界があります。
ぜひ、長所を活かせ合えるパートナーを見つけていきましょう。